Monthly Archives: December 2010

 今この瞬間

 もうすぐ2010年も終わりですね。

 今年は4年に1度のワールドカップイヤーでした。

 世界最大のスポーツイベントなわけですから、

 もちろん日本でもそれなりに盛り上がったとは思いますが

 僕の印象としてはまだまだ日本にはフットボールの文化が

 根付いてないなあ、という感じでした。

 

 文化というものは時間をかけてじっくり熟成されていくものであり

 なにも今すぐに答えを求めることはないですけどね。

 ただ、フットボールの魅力とはどんなところにあるのだろう?

 大金を稼ぐこと?

 勝利の美酒に酔いたいから?

 それとも地位や名誉?

 

 あのヨハン・クライフはこう言いました。

 「フットボールとは週末を有意義に過ごすためにあるものだ」

 「週末」を「毎日」に置き換えてもいいと思います。

 そう

 フットボールとは日々の生活をより豊かにするために

 存在しているんじゃないでしょうか。

 ねえ クライフさん、

 さすがいいこと言いますね。

 

 フットボールというゲームの中の一つのプレー、

 その一瞬一瞬に人生を生きるヒントが詰まっているんです。

 喜びも悲しみも、情熱も勇気もそこにはあるんです。

 だから世界中の人々が魅せられるんだと思います。

 

 僕は学びました。

 今この瞬間を楽しみベストを尽くすということを、

 フットボールから。

 だからこそお店を開ける決心もしました。

 大好きな洋服と、コーヒーと、いろいろと・・・。

 そして日々の生活の中のフットボールと。

 みなさん、一緒に楽しみましょう!

   

  HAVE A GREAT NEW YEAR !!!

 進行状況①

 以前このコラムで

 お店を始めるとお知らせしましたが

 準備の進行状況などを書き記していくことにします。

 

 まず、

 お店をやる物件ですがこれがなかなか曲者なんです。

 築50~60年は経っているであろう2階建ての木造戸建で

 至る所に増改築を繰り返したであろう形跡がみられ、

 初めて内見したときなんか

 「さら地にした方がいいんじゃないですか?」

 と思ったほどの荒れ様でしたね。

 そんな物件だったのでまず壊すことからスタートでした。

 カベをぶち抜き、天井をはがし、床をくり抜く・・・

 (もちろんプロの職人さんに頼むのですが。)

 もうカベなんか昔の土壁で

 壊すと、乾いたドロやらワラやらがどんどん出てきて

 そりゃもうスゴイ状況でした。

 ただ、解体作業が一段落すると

 むき出しの立派な梁や柱が顔を出してきて

 「いったいどんな木から切り出したの?」ってくらいの厚みに

 驚かされましたね。

 いやー 古い木造家屋ってステキですねー。

 (あの朽ち果てた土壁はもうカンベンですが)

 そして解体のあとは屋根裏に下地の角材を組みなおして

 断熱材をいれて、という作業をしていくのですが

 まー この作業の細かいこと。

 増改築を繰り返してきた家だけに

 天井の高さやカベの造りなどがバラバラなので

 角材を一本一本長さ測って、切って、打って、また測って・・・

 気が遠くなりそうです。

 「もしかしてイチから家建てた方が早いんじゃないの?」

 「・・・・・」

 カンベンしてください。

 それを言っちゃあおしまいです。

 大量生産の新品よりヴィンテージのリメイク物のほうが

 いい味出てるってことあるでしょ?

 それですよ、ソレ。

 

 今も職人さんがコツコツていねいに仕事してくれてます。

 早けりゃいいってもんじゃないでしょ、やっぱ。

 そんなわけで

 まだ、お店らしくなるのは時間がかかりそうですが

 今のうちに什器等の準備や商品の仕込みをジワジワやってるので

 そっちの情報もちょっとずつ紹介していけるんじゃないでしょうか。

 

 日々の小さな努力の積み重ねですね、

 フットボールと同じで。

 世間の流れからちょっと離れた静かな時間を

 大切に過ごしたいと思ってます。

 

 

 水

 僕は6~7年前から炭酸飲料やジュースの類はほとんど飲まなくなり

 現在は、毎日ミネラルウォーターばかり飲んでいるのですが、

 (この場合コーヒーとビールは除きます・・・)

 先日テレビで水道水(東京都)のCMを見かけたので

 家で水道水を飲んでみました。

 (特に水道水に抵抗があった訳ではないのですが

 ミネラルウォーターを飲む習慣が付いていたので)

 すると、

 意外とイケる。

 東京の水ってもっとカルキ臭い印象があったのですが

 けっこう飲みやすかったです。

 CMのなかで女の子がグイグイ飲んでたのもうなずけますね。

 で、

 いきなり15年ほど前の話にさかのぼります。

 当時、ブラジルに滞在していた2年間で

 3つのフットボールクラブを渡り歩いたのですが

 もちろん所属クラブが変われば別の町に引っ越すわけです。

 土地が違えば水も違うということなのか

 新しい町に移るたびに最初の2~3日間はお腹の調子を崩してました、

 毎回のように。

 なかでも、サンパウロ市街からバスで10時間ほど離れた

 「ボトゥポランガ」という田舎町の水は

 まさに衝撃以外の何者でもなかったです。

 まず、シャワーを浴びた時にいくら洗い流しても石けんのヌルヌルが落ちないんです。

 さらには、練習の合間に飲む水の味が変なんです。 

 なんていうか・・・  ガソリンっぽいというか・・・

 (ガソリン飲んだことは無いですが)

 なんかちょっとケミカルでオイリーな感じというか・・・

 コレ、 飲んでいいのか・・・?

 極めつけは食事の時、水の入ったコップの表面を見てみると

 なんと、 うっすらと虹色の模様が浮き出ているではないですか。

 ア、油ですか・・?

 オー・マイ・ガッ !

 

 中学2年生の頃好きだった女の子が

 他のクラスの男と手をつないで下校しているのを見た時と、

 同じくらいの衝撃でした。

 

 しかしほかに飲み物があるわけではなく、

 この町の生活水すべてがコレなので慣れるしかない・・・

 しかし、

 人間の持つ適応能力の高さも捨てたもんじゃないですね。

 この町に来て2週間もたつ頃には

 この怪しい水がなかなか美味に感じるようになり、

 ついにはトレーニングの後の一杯が病みつきになるほどでした。

 (シャワーのあとのヌルヌルだけは慣れませんでしたが・・・)

 まあ、現在もボクは元気に生きてるので

 さして人体への影響は無かったんだと思いますが・・・。

 今思えばアノ水は不思議でしたね。

 日本だったら確実に問題になるでしょうね。

 これも文化の違いでしょうか。

 こんなところにもブラジル・フットボールの深遠さを感じてしまうのは

 ボクだけでしょうか・・・。

 

 

 勇気とバランス

 「 Number 」というスポーツ誌を知ってますか?

 この雑誌、フットボールの特集を組むことが比較的多く、

 内容の掘り下げ方、インタビューの質、味のあるコラム等・・・

 とても読み応えがあるのでいつも愛読しています。

 

 最近発売された号のなかで、

 サッカー日本代表監督である

 ザッケローニ氏のインタビューが掲載されていたのですが、

 それがなかなか印象に残る内容でした。

 インタビューの中でザック氏は

 「バランス」がキーワードだと。

 ただ、一言でバランスといってもちょっと捉え方のニュアンスが

 変わるだけでだいぶ違った意味を持ってしまうと思うんですよ。

 ここでザック氏のいうバランスとは、

 「積極的な動きをともなったバランス」であり、

 もっといえば「躍動感あふれるバランス」といったところでしょうか。

 かかとに重心がかかったままのバランスじゃダメだってことですね。

 (ちょっと専門的な文章になりましたが・・・)

 そしてもう一つ、

 ザック氏が言ってたのが

 「 勇気 」。

 思い切って挑むこと

 立ち向かうこと

 リスクを冒すことを恐れないこと

 

 ただここでも捉え方が大事だと思うんですよ。

 「恐れない」といってもやっぱり怖いはずなんです。

 ビビって当然です。

 だから、勇気ってのは「リスクを受け入れる」ことなんですよね、きっと。

 「怖さ」とちゃんと向き合って理解したうえで立ち向かおうと。

 

 このインタビューはもちろんフットボールに関する内容なのですが

 なんかこう、

 響いてくるものがありません?

 フットボールをするうえで大事なことと、

 ボクらが日々の生活を楽しむために必要なことって

 似てると思いません?

 

 どっちにしろ、

 フットボールにも日々の生活にも共通して言えることは、

 「実際に自分が行動を起こして(プレーして)感じることで初めて理解することができる」

 ってことです。

 おかげでボクも再確認できました。

 

 ザックさん ありがとう。

 さあ、皆さんも自らアクション起こしましょう。

 

 よし、

 じゃあボクも今からトイレ掃除してきますっ!

 

 

 お知らせ

 突然ですが

 このたび

 お店を始めます。

 (来年になりますが・・・)

 

 常々、多様な形でフットボールカルチャーを発信できる

 「 箱 」 を持ちたいと考えていましたが

 今回がその第一歩です。

 (以前このコラムで取り上げたような”BAR”ではないですが)

 お店の詳しい内容はまだ明かすことができませんが

 僕のデザインする 「 BackAlleyOldBoys 」 の洋服がメインになるとは思います。

 ただ、コンセプトに沿った物、事であれば

 いろいろやっていくつもりです。

 まーボチボチ考えてます。

  

 というわけで

 このコラムの中でも

 お店に関するコト・モノを毎回とはいきませんが

 少しずつ紹介していこうと思ってます。

 まずオープン時期ですが

 年明け1~2月頃を予定しています。

 店名、場所等も含め、また追ってお知らせするので

 今しばらくおまちください。

 

 

 現在すでに関わりのある人達、

 そしてこれから関わることになるかもしれない皆さんと共に

 情熱と ユーモアと 自由な精神に満ちた

 イカした文化を育んでいけたら最高です。

  

     

       「ストリートフットボールは自由を我々に与えてくれた」

エリック・カントナ

 

 

 おふくろの味

 つい先日、都内のブラジル・レストランに行く機会があって

 いろいろ思い出したので

 今回は僕がブラジルに滞在していた時の食生活について

 少しお話したいと思います。

  

 ブラジルで過ごした2年間、

 そのほとんどの期間をフットボールクラブの寮で寝泊まりしていたので

 食事も寮の食堂でオバチャンの作るゴハンを食べるのが日常でした。

 ブラジルの一般的な食事を簡単に紹介すると

 米、豆、肉 です。

 まあ、ブラジルってかなりデカイ国なので

 もちろん地域によって食事の内容もけっこう違うでしょうが

 すくなくとも、サンパウロ州あたりではみんな米、豆、肉 ですね。

 まず米。

 見た目はタイ米っぽい感じもしますが、まあイケます。

 ただ、日本の米と違って白米だけで食べてもおいしくないですね。

 そこで登場するのが 豆  です。

 「フェジョン」または「フェジョアーダ」という名の、大豆をドロッと煮込んだものを

 白米にかけて食べます。

 この、お米とフェジョンがいわば主食ですね。

 日本でいうところのごはんとみそ汁のような感じです。

 そしてこのフェジョンという豆料理が

 作るオバチャンによって味がけっこう違ってて、まさにみそ汁のような存在なんですよ。

 友達のお母さんが作ったみそ汁ってなんか違う味がしたでしょ?

 あれと一緒です。

 まさしく「ブラジル版おふくろの味」ですね。

 オバチャン元気かな・・・

 そして 肉。

 やっぱ肉です  これは外せません。

 日本でも「シュラスコ」というブラジル版バーベキューのレストランをよく見かけますよね。

 ただ、レストランの肉は美味ですが

 牛肉にもピンからキリまであるもので

 かつて2カ月ほど在籍していた片田舎の貧乏クラブの食事に出てくるそれは

 「革靴のソールですか?」

 と突っ込みたくなるほどの硬度を誇っていました。

 それでも毎日のハードトレーニングで腹は減ってるので

 親の仇かってくらい噛んでやりましたけどね。

 

 まあ、なんだかんだいって好きでした、ブラジルおばちゃんのゴハン。

 (ひどく臭い川魚のトマト煮みたいのが出てきたときは本気で帰国を考えましたが・・・)

 

 きっとブラジル・フットボールの強さの秘密はこんなところにもあるんだと思います。

 だってちっちゃい頃から豆と肉ばっかり食べて育ってるんですよ、

 タンパク質摂りまくりです。

 フットボール選手というのはみんな腹筋を鍛えるのですが、

 「おまえ、生まれた時から腹8つに割れてただろっ」みたいなヤツ

 たくさんいましたから。

 だから僕も毎日フェジョン特盛りで食べていたので

 おかげでよくブラジル人に間違われてましたね。

 

 みなさんも機会があればブラジル料理食べてみてください。

 ウマいですよ。

 

 

 

 BAR

 「文化とは物や場所にではなく、人の心の中で育まれるもの」

 とは

 かの偉大な哲学者 ニーチェの言葉ですが、

 場所ってのもけっこう大事なんじゃないかな―

 と思うんですよね。

 人が集まる場所ってことでね。

 あっ ニーチェさん、あなたにケンカ売ってるわけではないですよ。

 どっちかっていうとリスペクトしてます。

 

 さて、

 ブラジルには街のいたるところにBAR(バールと読む)という店があるのですが

 これが店によってスタイルが様々で、

 朝はコーヒーとパンがあり、昼にはランチがあったり、

 夜は酒とつまみがあって(朝からあります)、

 お菓子やジュース、果物が売ってるところもありますね。

 ビリヤード台があったり、週末になると店の前でバーベキューや

 鳥の丸焼きやったりね。

 まあ、何でもアリっすね、

 で、だいたいどの店にもテレビが置いてあって

 近所のオッサンや若者が集まるわけですよ。

 フットボールの中継、それもビッグゲームがある日なんかそりゃ盛り上がりますよ。

 かたや子供たちは、その店で買ったお菓子を頬張りながら

 店の前の路地でミニゲーム始めてこっちも盛り上がるわけです、

 今テレビで見たプレーを真似したりしてね。

 いやあ、素晴らしい光景ですね~

 確実に根付いてますね。

 ブラジルではよく、

 「タレント(フットボールの才能がある子供)は育てなくても次から次へと地面から勝手に生えてくる」

 と言いますが、

 こういった環境を見るとわかる気がします。

 ねぇ、ニーチェさん、場所も大事でしょ?

 

 そんな店が日本中の街角に無数にあったとしたら・・・

 それはそれは素敵なことだと思うんです。

 まあ、国が違えば文化も異なるので、全く同じであることはないですが

それぞれの地域や街に根ざしたかたちで

 フットボール文化を発信、共有していけるお店が増えるといいですねー。

 「そんなお店があったらいいな~」

 と思ったあなた、

 そう

 ぜひ

 あなたがやってみてはいかがでしょう?

 ボクはいずれやろうと思ってますよ。

 

ニーチェさん、みててくださいね。

 

 FLUMINENSE と ル・コック

 先日、とあるフットボールシャツを入手しました。

 

 わかる方少ないかもしれませんが、

 ブラジル・リオデジャネイロに本拠地を構える名門クラブ、

 「 フルミネンセ 」 の80年代前半~中頃の

 アウェイ用オフィシャルユニフォームです。

 このクラブ、イタリア移民が作ったクラブなので(100年以上!前の話ですが。)

 配色がイタリアです。

 レアです。

 (ちなみに目黒通りリベラのステーキもレアがいいです・・・。)

 そして右胸に爛々と輝く ニワトリさんマーク

  そう、ル・コック です。

 ご存じおフランスを代表するスポーツブランドle coq ですね。

 でもなぜブラジルのクラブのユニフォームが ル・コック?

 ??・・・

 僕も詳しいことはよくわかりませんが、

 この頃きっとル・コックさん、フットボールに力入れてたんじゃないでしょうか

 かのディエゴマラドーナのアルゼンチン代表(選手時代の話ね)も

 ル・コックだったし、

 あの頃、あの憧れのジーコの足元にも・・ なんと・・

 付いてるじゃないですかっ

 ニワトリさんがっ!

 いやー探しましたね、血まなこってヤツですよ、

 ジーコが履いてたのと同じル・コックのスパイク。

 ただし、ジーコがル・コックを履いてたのは80年代前半、

 僕が探してたのは90年代前半。

 10年もの間、同じモデルのシューズが存在し続けるなんて

 よほどの名作シューズでない限りありえません。

 どうやらニワトリさんにはそこまで力無かったようですね・・・

 だってル・コックの商品自体あまり見かけなかったですもん。

 なんか、スポーツビジネスの波に飲まれるブランドの盛衰の一場面を・・

 見た気がします・・。

  

 とまあ、そんなわけで

 シャツ一枚でいろいろ想いが膨らみますね。

 フットボールというスポーツの歴史があって

 服そのものの歴史がある

 その両方が詰まってるから味わい深さがあるんですよね、きっと。

 これだからフットボールも古着もやめられません。

 様々なフットボールとの関わり方

 様々な服との関わり方

 まだまだいろんな可能性がありそうです。

 

 

 

 「 GINGA 」

 「ジンガ」と読みます。

 「体を揺らす」という意味を持つポルトガル語で

 ブラジルでは

 フットボールにおける足さばきや体の動きを指す言葉ですが

 フットボールに限らず、ブラジル人の身体性 ・ 精神性をよく表わしていて

 ブラジル人の体の中に血と一緒に流れているようなもの、

 とでも言えばいいでしょうか。

 うまく説明しづらいですが

 この映画を観れば何かを感じ取ることができると思います。

 DVD 「GINGA」 2005年/ブラジル

 ちなみに僕は3~4年前に映画館で観たのですが

 客が2人でした・・・ 

 いくら平日の午前中だったとはいえ

 渋谷の映画館で客2人って・・・

 まあ、おかげで自分の部屋かっっ てぐらいゆったり観ましたけどね。

 でも映画は最高におもしろかったですよ!

 スポーツ物の映画ってよりは

 ブラジルの文化的、社会的な一面が垣間見れるドキュメンタリーって感じです。

 実際ドキュメンタリーですけど。

 悲劇も喜劇も全部ごちゃごちゃになって

 それがどこか乾いた空気感の中で独特のリズムを刻み続ける。

 まさにブラジルそのものを表現しているかのような興味深い作品です。

 この機会にぜひ!

 TSUTAYAへダッシュです!  

 (置いてるかな?)

  

 プロデューサーはあの「シティ オブ ゴッド」を撮った、フェルナンド・メイレレス

 映像にもリズム感があってカッコいいし

 オズ・ジェメオスのグラフィックも最高にクールです。

 映画配給会社ばりにアピールしましたが

 とにかくオススメです。